私達はいつのまにか得意なことを活かすことで
上手くいくと教わってきました。




では、
得意の反対にあたる「苦手」なことで
上手くいくことはできないのでしょうか?




そんなことはありません!
「苦手」なことを活かしたことで、


「美容院史上最強のコンテンツ」


とネットで呼び声が上がるほど、
大反響を呼んでいる美容院の
メニューがあります。




そのメニューというのが、
こちら。




IMG_5130






カット+会話なし
カット+静かに(会話少なめ)




なんと、
美容院での会話が苦手なお客さんのために、
カットのメニューに「会話なし」と
「静かに(会話少なめ)」を盛り込んだのです!




202228日にツイッターでこの美容院が紹介されると、
34000リツイート、18万いいね以上を集め、
「行きつけの美容院でもやってほしい」
「こんなのメニューにあったら絶対利用する」
「こんなサービスを20年待ってました!」
など
大変話題になりました。






この「会話なし』メニューを出している美容院は、
東京・二子玉川にある
hair-works-credo クレド」。




IMG_5174
(クレドの店内)




そして、
この美容院を経営しているのは、
野口高宏さん。
18歳で美容師になり、原宿などで腕を磨き、
2011年にご自身のお店クレドをオープンしました。




IMG_5127
(クレドを経営する野口さん)






野口さんが「会話なし」をメニューに
入れることになったのは、
ご自身のお店クレドを初めてから、
3年経ったある日のこと。




雑誌の記事で、
イギリスの美容室では会話をしない
「サイレントルーム」を設けており、
人気があることを知りました。


「日本でそういうサロンないから、
 ちょっとやってみようか」


野口さんが経営するクレドはマンツーマンの店なので、
話さなければすぐにでも静かな空間を作ることができます。
 
 


でも、
野口さんには「会話なし」をメニューに加えることに
踏み出せないある葛藤がありました。




というのは、
野口さんは今でこそ普通の美容師レベルの
会話ができるそうですが、
アシスタント時代は話すのが大の苦手。




美容師の先輩からは、
「お金を払ってもらっている以上、楽しませないと」、
「お通夜みたいな仕事してんじゃねーよ!」と、
美容師は会話ができて当たり前だと
厳しく教育されてきました。




苦手な会話の技術を上げるため、
店内の接客で会話術を身に着け、
話した内容は次の会話につなげられるようにメモする。
こうした地道な努力の末、
野口さんは苦手だった会話を克服したのです。




ですから、
「会話なし」のメニューを追加することは、
今まで培ってきた’会話でお客さんを楽しませなければならない’という
美容師としてのアイデンティティを、
自ら否定することになるんじゃないかと思ったのです。


 

本当に「会話なし」をメニューに追加していいものなのか。
そもそも、このメニューを必要としてくれる人がいるのか。
野口さんは、念のためインターネットやツイッターで
検索することにしました。

 


「美容院 会話 嫌い」


で検索してみると






IMG_5380
(※この写真は、あくまでもカガヤキ調べによるものです。)




予想に反して、
美容院の会話が苦手な人が、
多いことが発覚(笑)。


「なんだ。すげえ頑張ってしゃべってたんだけどな。」


それはつまり、
野口さんが培ってきた美容師のアイデンティティを、
世間は一切求めていないこと気付かされた瞬間でもありました。




そして、
ツイッターでの検索では、
「コミュ障だから美容室行けない」
という人を見かけたことで、
そんな方たちに「ぜひ来て欲しい」と
野口さんは「会話なし」をメニューに
入れることを決意します。






ですが、、、






いざ始めるとなると
はずかしい(笑)。




野口さんは、試しに1カ月間、
静かにぐらいでメニューを出してみて、
もしオーダーが入らなかったらやめることにしました。




始めて見ると、
早速5人のお客さんからオーダーが入ったのです。
「あれ、もしかしたらイケるかも」と手応えを感じた
野口さんは「会話なし」を正式にメニューに
追加することにしました。






この「会話なし」のメニューは
どんな感じなのかといいますと、




お客さんが来店すると、
野口さんの「こんにちは」の挨拶に始まり、
席に誘導。
ここまでは至って普通ですよね。




次に、
ネット予約の備考欄に、
カットの要望を細かく書き込んでいて、
その通りカットできそうなお客さんの場合には、


野口さん「備考欄の通りでいいですか」
お客さん「はい」


と、ふたことのやり取りで確認終了。
なんてスマートなやりとりなんでしょう!!




次のシャンプーでは、
『湯加減は熱くないですか?』
『かゆいところないですか?』などの
美容室でのよくあるやりとりも
一切しないそうです。




お客さんの髪をきれいにするために、
黙々とシャンプーを行います。




IMG_5376




次のカットでも、
もちろん同じです。
お客さんの髪を黙々と切っていきます。
 



FullSizeRender

  


このメニューを追加してから、7年。
「会話なし」のメニューを選ぶお客さんの割合は、
「会話少なめ」も合わせて2割から3割。




でも、
「会話なし」「会話少なめ」を選んでも、
カットが終わるまでに結局喋っちゃうお客さんの方が
多いんだそうです(笑)。




IMG_5313
(お客さん「我慢できない!やっぱり喋っちゃおーう!※イメージです)




でも中には、
7年間ずっと「会話なし」で通い続けてくれる
お客さんもいらっしゃるそうで、
「どんな仕事してる人なのかなぁ?家族はいるのかなぁ?」と、
野口さんはいろいろ想像しながら、カットしているそうです。




7年間もこのメニューで通い続けてくれるということは、
お客さんにとって美容院で会話しないことで
どれだけ救われているのかが分かりますね。






今回、野口さんの美容室を紹介する投稿が
ネットで話題になったことで、
野口さんの美容室に1日で7人の新規のお客さんから
「会話なし」の予約が入るほど反響がありました。




さらにこの反響は、他の美容院にも広がりました
野口さんの投稿が話題になる前は、
「会話なし」をうたう美容院は
わずか10店舗でしたが、




210日~14日にかけて1.5倍の150店舗にも
急増するほど、「苦手」を活かした美容院は、
美容院業界に革命を起こしました。






自分の苦手なことは、意外にも周りの人たちも
苦手だったりします。
それは、自分ひとりだけじゃなく、
みんなも同じことで悩んでいるということです。





見方を変えると、苦手なことは、あなたと周りの人たちとの
距離を近づける共通点でもあります。

そして、その共通点からは共感が生まれます。
「きみもそれが苦手なの?僕もなんだよ~」って(笑)。




共感できるということは、その立場の人たちが何に困って、
何を望んでいるのかが分かるということです。
 




セールスマン時代に会話が苦手で、書いて伝えることを見出し、
No. 1営業マンになったことがある、
作家ひすいこたろうさんのこんな言葉があります。


「相手の立場から世界を見ようと考えること、それが優しさです」


野口さん自身も会話が苦手だったからこそ
会話が苦手な人たちの立場を
共感することができ、
そして「会話なし」のメニューが大変喜ばれたわけです。
 



野口さんは言います。
「僕としては、コミュニケーション苦手な人を美容室に引っ張ってきたい、という気持ちでやっています」。

 


苦手なことがある人たちの気持ちに共感できたら、
その人たちの喜ぶことを考え、やってみる。
それができたら、
あなたはその人たちのヒーローです。










というわけで、
==========================
世界一しあわせなお金の稼ぎ方
==========================
 
苦手なことは、
人との距離を縮める共通点であり、
人の気持ちが分かる共感点。

その立場の人達が喜ぶことを
考え、実践してみよう!

==========================







最後にもう一つ、
「苦手」を活かしたお仕事を
紹介させてください。







それは、
こちら。








FullSizeRender






「【おしゃべりOK!】髪を切られている、
人見知りの人の代わりに美容師とお話しするバイト。」





いやこれは、
苦手を活かしたんじゃなくて、
「得意」を活かした仕事だから!!(笑)
会話が得意な人だから成立する仕事ですよね。

 


でも、
得意を活かすには、「苦手」な人がいてこそ。
だから、このバイトも「苦手」な人の立場になってみたからこそ
生まれた仕事なわけです。




それにしても、
写真の男性モデルさん、
めっちゃいい顔していますね(笑)。




信じられないかもしれませんが、
これは冗談ではなく、
本当にあった求人です(笑)。






今回も最後までお読みいただき
ありがとうございました。
あおしまカガヤキでした\( ˆoˆ )/ヤッタ-!






参考・出典:

hair-works-credo クレド
https://beauty.hotpepper.jp/slnH000196515/
写真をお借りしました。ありがとうございます!




◯美容院なのに「会話なし」 あえて加えた斬新なメニュー欄が話題 
「苦手を武器にする天才かよ」
https://withnews.jp/article/f0220210004qq000000000000000W08k10201qq000024304A
写真をお借りしました。ありがとうございます!




◯「会話したくない人向け」美容院のプラン反響 コロナ禍の新トレンドに?「黙カット」導入広がる
https://www.j-cast.com/2022/02/14430997.html?p=all




◯【おしゃべりOK!】髪を切られている、人見知りの人の代わりに美容師と会話するバイト(神マッハバイト)
https://kamimach.j-sen.jp/baito/2.html
写真をお借りしました。ありがとうございます!




◯天才かよ…… 「会話が苦手な人向け」メニューがある美容室が斬新 きっかけを美容師さんに聞いてみた
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2202/10/news137_2.html




7年ずっと無言の常連も!「会話なし・あり」選べる美容室 リピート率8割以上も… “無言接客いま人気の理由
https://www.fnn.jp/articles/-/320421
写真をお借りしました。ありがとうございます!




◯写真AC
https://www.photo-ac.com/
写真をお借りしました。ありがとうございます!